HOME>世界農業遺産「能登の里山里海」ライブラリー 世界農業遺産「能登の里山里海」ライブラリーについて 2011年(平成23年)6月、能登半島に広がる「能登の里山里海」が、佐渡市の「トキと共生する佐渡の里山」とともに、国際連合食糧農業機関(FAO)により、日本で初めて世界農業遺産(GIAHS:Globally Important Agricultural Heritage Systems)に認定されました。
項目自然・生きもの:里山保全活動、ビオトープ活動と生きもの調査、絶滅危惧種・希少種の保護活動農林水産業:米づくり、能登野菜、多様な環境と魚種、藻場と海藻利用、ため池、用水路伝統技術:乾燥する技術、漬ける・発酵する技術、伝統工芸、里海の伝統技術、里山の伝統技術文化・祭礼:年中行事、祭礼神事景観:外浦の景観、内浦の景観、内陸部(中山間地)の景観利用保全の取組:朝市・直売所、グリーン・ツーリズム、エコツーリズム、後継者や移住者の支援世界農業遺産構成資産調査についてPDFダウンロード(57MB)<調査の背景>世界農業遺産(Globally Important Agricultural Heritage Systems:GIAHS)とは、社会や環境の変化に適応しながら何世紀にもわたり発達し、形づくられてきた農業上の土地利用、伝統的な農業とそれにより育まれた文化、景観、生物多様性などに富む、世界的に重要な地域を、次世代へ継承することを目的として、2002年(平成14年)に、国際連合食糧農業機関(FAO、本部:イタリア・ローマ)が創設したプロジェクトである。 2011年(平成23年)6月、中国・北京市での世界農業遺産国際フォーラムにおいて、新たに日本の「能登の里山里海」と「トキと共生する佐渡の里山」、中国、インドの4地域が認定され、ペルー、チリ、タンザニア・ケニア、アルジェリア・チュニジア・モロッコ、フィリピン、中国(3地域)とあわせて、認定地域は11カ国12地域となった。 「能登の里山里海」では、長年にわたり自然と調和した農業、林業、漁業が営まれ、独自性のある豊かで多様な農法、漁法、土地利用、資源管理、生活様式、伝統文化、技術、知恵、維持・保全活動が育まれてきた。これらは、農林漁業を核とした独自のシステムを構築し、相互に密接な関係性を保ちながら、現在まで維持・継承されている。 「能登の里山里海」の世界農業遺産認定は、このシステム、すなわち能登の暮らしそのものが、生物多様性を保全し、資源の持続可能な利用をはかる優れたシステムであるとして、国際連合食糧農業機関により高く評価されたものである。 また、認定の国際的背景には、人類が直面する経済、食糧、治安、貧困、環境、気候変動などの地球レベル(グローバル)の危機や困難に対して、長年にわたり自然や環境と調和しながら、地域固有の知を活用し、生物多様性の保全と資源の持続可能な利活用を行ってきた地域レベル(ローカル)の取組の有効性が再評価されていることや、2010年(平成22年)10月、愛知県名古屋市で開催された「生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)」において、里山(SATOYAMA)における生物多様性の保全と持続可能な利用の両立を目指す「SATOYAMAイニシアティブ」の推進が決議されるなど、近年の里山に関する国際社会の関心の高まりが挙げられる。 <調査の手順>2010年(平成22年)、地元市町で構成する能登地域GIAHS推進協議会が、世界農業遺産認定のため国際連合食糧農業機関に提出した申請書類に記載のある、「能登の里山里海」を構成する160の資産の事例(以下、「構成資産」という。)のうち、80事例程度を抽出・整理し、各構成資産の世界農業遺産における価値について文献・ヒアリング・現地調査を行い、整理した。 <調査体制>株式会社計画情報研究所(受託機関)
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