世界農業遺産「能登の里山里海」とは
世界農業遺産とは
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世界農業遺産とは

世界農業遺産(Globally Important Agricultural Heritage Systems(GIAHS):ジアス)は、2002年(平成14年)、食料の安定確保を目指す国際組織「国際連合食糧農業機関」(FAO、本部:イタリア・ローマ)によって開始されたプロジェクトです。

創設の背景には、近代農業の行き過ぎた生産性への偏重が、世界各地で森林破壊や水質汚染等の環境問題を引き起こし、さらには地域固有の文化や景観、生物多様性などの消失を招いてきたことが挙げられます。

世界農業遺産の目的は、近代化の中で失われつつあるその土地の環境を生かした伝統的な農業・農法、生物多様性が守られた土地利用、農村文化・農村景観などを「地域システム」として一体的に維持保全し、次世代へ継承していくことです。

国際連合教育科学文化機関(UNESCO(ユネスコ))が推進する世界遺産が、遺跡や歴史的建造物、自然など「不動産」を登録し保護することを目的としているのに対して、世界農業遺産は、地域のシステムを認定することで保全につなげていくことを目指しています。

認定地域は世界各国に広がり、2023年2月現在で24ヶ国74サイトとなっています。

 

参考:国際連合食糧農業機関(FAO)ホームページ(英語)GIAHS

参考:農林水産省ホームページ

日本では2022年11月現在、下記の13地域が認定されています。

       認定サイト   所在地  認定年月
能登の里山里海 石川県能登半島 2011年6月
トキと共生する佐渡の里山 新潟県佐渡市 2011年6月
静岡の茶草場農法 静岡県 2013年5月
阿蘇の草原の維持と持続的農業 熊本県 2013年5月
クヌギ林とため池がつなぐ国東半島・宇佐の農林水産循環 大分県 2013年5月
清流長良川の鮎 岐阜県 2015年12月
みなべ・田辺の梅システム 和歌山県 2015年12月
高千穂郷・椎葉山地域の山間地農林業複合システム 宮崎県 2015年12月
持続可能な水田農業を支える「大崎耕土」の伝統的水管理システム 宮城県 2017年11月
静岡水わさびの伝統栽培−発祥の地が伝える人とわさびの歴史− 静岡県 2018年3月
にし阿波の傾斜地農耕システム 徳島県 2018年3月
峡東地域の扇状地に適応した果樹農業システム 山梨県 2022年7月
森・里・湖(うみ)に育まれる漁業と農業が織りなす琵琶湖システム 滋賀県 2022年7月